名張川(読み)ナバリガワ

デジタル大辞泉 「名張川」の意味・読み・例文・類語

なばり‐がわ〔‐がは〕【名張川】

三重・京都・奈良の府県境を流れる川。奈良県宇陀うだ御杖みつえ村南東部の三峰みうね山(標高1235メートル)北麓に源を発して北流し、三重県名張市で青蓮寺しょうれんじ川・宇陀川合流、さらに京都府相楽そうらく郡南山城村で伊賀川と合流して木津川となる。

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日本歴史地名大系 「名張川」の解説

名張川
なばりがわ

大和高原の奈良県宇陀うだ御杖みつえ村辺りに源を発する比奈知ひなち川を本流とし、青蓮寺しようれんじ川と名張市街の南東で、宇陀川と同市街の西で合流し、市域の西北部を流れ、笠間かさま川を合流する辺りから旧伊賀・大和の国境を流れ、上野市治田はつたの辺りで右岸より治田川・石打いしうち川を合流し、西に曲流し、奈良県添上そえかみつき村で北流し、京都府相楽そうらく南山城みなみやましろ村のゆみふちで伊賀川と合流して木津きづ川になる。名張盆地に出るまでに、青蓮寺川筋で曾爾そに高原と香落こおち渓、たき上流では赤目四十八あかめしじゆうはち滝などの峡谷美を形成する。昭和四四年(一九六九)より青蓮寺湖の新風景が加わる。木津川となってからも月ヶ瀬の峡谷美に高山たかやま湖の新景観が加えられた。名張盆地は狭隘な小盆地であるが、名張川流域としては最も広い平坦地で、そのなかに板蠅いたばえ杣より発展した東大寺黒田くろだ庄を形成する。

現在の河道に定着するまでに名張盆地内で何回かの変動があり、これが東大寺領黒田庄の境界と関連して紛争が起こった。もとは宇陀川は現黒田大橋付近で東に曲流し、青蓮寺川は現河道より北東を流れ、宇流富志祢うるふしね神社の下あたりで右に曲り、現名張市街の西南部で合流し、そこから大屋戸おおやどへ直流した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「名張川」の意味・わかりやすい解説

名張川
なばりがわ

三重県西部,上野盆地西部から京都府南部を北流する川。木津川の支流。奈良県宇陀山地に発する宇陀川と,奈良・三重県境をなす高見山地北側に発する青蓮寺川 (しょうれんじがわ) とが名張市で合流して名張川となり,三重・奈良県境付近を北流して奈良県奈良市北東部を通り,京都府南部で伊賀川と合して木津川となる。全長 62km。宇陀川の支流丈六川上流に赤目四十八滝,青蓮寺川に青蓮寺湖 (ダム) ,香落渓などの景勝があり,赤目の峡谷は国の名勝室生赤目青山国定公園に属する。

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