同志・同士(読み)どうし

精選版 日本国語大辞典 「同志・同士」の意味・読み・例文・類語

どう‐し【同志・同士】

〘名〙
① こころざしや主義・主張を同じくすること。また、その人。同じ目的を持つ仲間。
※菅家文草(900頃)二「近日野州安別駕、製一絶同志
※西洋事情(1866‐70)〈福沢諭吉〉二「教師カルウィンなる者其説を首唱し同志の徒甚た多し」 〔国語‐晉語四〕
② 動作・性質・状態などにおいて、たがいに共通点を持っている人。名詞に直接ついて、接尾語的にも用いる。たがいに…である者。同じ仲間。どち。「かたきどうし」「日本人どうし」
※土井本周易抄(1477)四「似合たどうしかたらうてより合てよいぞ」
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「親々が心安く成るにつれ娘同志も親しくなり」
③ (同志) 特に、革命的集団や社会主義国などで、その仲間の者の名につけてたがいに呼ぶのに用いる。「同志…」「…同志」
※ロシアに入る(1924)〈荒畑寒村チタの滞在「僕はまた、ニコライといふ同志とも懇意になった」
[語誌]②については、漢語「同志」の転用ともいわれ、また「どし」という形もあるところから、古代の名詞「どち」の変化したものが「どし」となり、「どうし」ともなったともいわれる。おそらく、両者混淆によるものであろう。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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