(読み)きち

精選版 日本国語大辞典 「吉」の意味・読み・例文・類語

きち【吉】

〘名〙
① =きつ(吉)①⇔。〔文明本節用集(室町中)〕
人情本春色梅児誉美(1832‐33)後「凶は吉(キチ)にかへると申します」
② =きつ(吉)
役者評判記などに用いる役者位付けの一つ。上上と上上吉との間に、「吉」の字を白抜きにした「白吉」、「吉」の字の上半部だけの「士」など数種の位付けを設けて細別する。吉の字。
※雑俳・類字折句集(1762)「吉が黒ろなると天窓が白ふ成り」
④ (「きちまい(吉米)」の略) よい米。上米。良米。
※長宗我部氏掟書(1596)五五条「吉地に太を於作者、貢物者、吉を可取上事」

きつ【吉】

〘名〙
① よいこと。めでたいこと。きち。⇔
権記‐正暦四年(993)正月二八日「大饗日四位勧盃者、或不次酌、或取之、取説吉也」 〔和玉篇(15C後)〕
② めでたい時の衣服吉服。きち。
※栄花(1028‐92頃)根合女房などは吉につきて候ふ

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デジタル大辞泉 「吉」の意味・読み・例文・類語

きち【吉】

縁起がよいこと。めでたいこと。きつ。「きょうかを占う」⇔
[類語]めでたい喜ばしい慶賀恭賀謹賀奉賀奉祝慶祝大慶同慶御慶ぎょけい慶福祝賀祝着しゅうちゃく祝福祝勝喜ぶ大吉祝い事晴れの日賀する祝う祝することほぐ佳日吉日恐悦おめでた吉事慶事好事寿ことぶき幸運ラッキー僥倖付き幸せ幸い果報開運盛運強運悪運儲け物拾い物恵まれるあやかるついてる物怪もっけの幸い不幸中の幸い怪我けがの功名

きち【吉】[漢字項目]

常用漢字] [音]キチ(呉) キツ(漢) [訓]よい
キチ〉めでたい。運がよい。「吉日きちじつ・きちにち吉例小吉大吉
〈キツ〉に同じ。「吉凶吉相吉兆吉報不吉
[名のり]さち・とみ・はじめ・よ・よし
難読吉方えほう吉師きし吉備きび吉左右きっそう吉利支丹キリシタン

きつ【吉】[漢字項目]

きち

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