精選版 日本国語大辞典 「吉沢検校」の意味・読み・例文・類語
よしざわ‐けんぎょう【吉沢検校】
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盲人音楽家。(1)初世儀一(?-1841(天保12)) 愛知県(尾張国)佐屋町明通寺住職の子。前名古川勾当(こうとう)。1831年(天保2)検校登官。(2)2世審一(しんのいち)(1801か08-72・享和1か文化5-明治5) 初世の子。主として名古屋で活躍,京都に移住。1819年(文政2)勾当,34年(天保5)検校登官。初名古川花の一。中村検校(1799年登官,平曲は荻野検校門下)やその師の藤田勾当にも師事し,地歌・箏曲・胡弓および平曲を習得。雅楽や国学,和歌,漢学にも通じ,光崎検校に私淑し,和歌を歌詞とした新形式の箏組歌を作曲。《千鳥の曲》の後歌を除いて,《古今和歌集》から採っているので,古今組(《春の曲》《夏の曲》《秋の曲》《冬の曲》《千鳥の曲》),古今新組(《山桜》《唐衣》《初瀬川》《新雪月花》)と呼ばれている。この古今組の作曲にあたって考案した調弦は,古今調子と称し,雅楽の盤渉調(ばんしきちよう)をヒントにした雅俗折衷の調弦である。このほか《千鳥の曲》とともに胡弓本曲ともされる《蟬の曲》や,《新山姥》《玉くしげ》《深山木》《捨扇》などの三味線曲(箏その他の手付もある)の作曲もある。門下に駒井検校,吉山勾当,小松景和などがいる。名古屋で箏曲が興隆,また平曲も伝承される礎を築いた。なお,その子の代に国文学者吉沢義則が木村家から入籍。
執筆者:久保田 敏子
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江戸末期の生田流(いくたりゅう)箏曲(そうきょく)・地歌(じうた)の演奏家、作曲家。2世。初世吉沢検校(生没年不詳)の子。都名(いちな)は審一(しんのいち)。名古屋で生まれ、9歳で失明。父や藤田検校に箏曲・地歌、中村検校に平曲などを師事。1834年(天保5)検校登官後、雅楽、和歌、国学なども学んだ。尾張(おわり)藩主にも重用され、40代で尾州の盲人支配頭に列せられて五人扶持(ぶち)を得、藩主の祭祀(さいし)のおりにはつねに平曲を語った。55年(安政2)ごろ京都に移って光崎(みつざき)検校らの箏曲復古運動を受け継ぎ、雅楽の調子からヒントを得て古今調子などの独特な箏の調子を考案し、和歌を詞章とする新形式の箏組歌を生み出した。作品に古今組五曲(『千鳥(ちどり)の曲』『春の曲』『夏の曲』『秋の曲』『冬の曲』)や古今新組四曲(『山桜』『唐衣(からごろも)』『初瀬川』『新雪月花』)などがあるが、その斬新(ざんしん)的芸術活動は封建的箏曲地歌界からは敬遠され、不遇のまま没した。
[平山けい子]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…箏曲の曲名。吉沢検校審一(しんのいち)作曲の古今組5曲の一つ。歌詞は,前歌に《古今集》賀の部の読人しらずの歌を,後歌に《金葉集》冬の部の源兼昌の歌を用いる。…
…箏曲の曲名。吉沢検校作曲の古今組。手事および替手は松阪春栄(まつさかはるえ)(1854‐1920)が補作。…
※「吉沢検校」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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