日本大百科全書(ニッポニカ) 「吉村雄輝」の意味・わかりやすい解説
吉村雄輝
よしむらゆうき
(1923―1998)
上方(かみがた)舞、吉村流の4世家元。本名橋本昇一。高知市に生まれる。1928年(昭和3)吉村流2世家元吉村ゆうに入門。2世没後、3世家元吉村雄光(ゆうこう)の内弟子となり、39年吉村雄輝の名を許される。49年東京に進出して広く上方舞を紹介し、門弟を育成して流儀を大きく発展させた。61年4世家元を継ぐ。吉村流初の男性家元で衣装付きや着流し姿によるつややかな女舞が有名で、袴(はかま)姿の激しい男舞にも実力を示した。『こうの鳥』『宗右衛門町(そうえもんちょう)』をはじめ優れた発表作品も多数。86年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定され、97年(平成9)文化功労者に選ばれた。
[如月青子]
『吉村雄輝著『舞 序破急』(1979・九芸出版)』
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