吉利支丹物語(読み)キリシタンものがたり

改訂新版 世界大百科事典 「吉利支丹物語」の意味・わかりやすい解説

吉利支丹物語 (キリシタンものがたり)

1639年(寛永16)京都で出版された排耶書作者不詳。上下2巻。弘治年間(1555-58)のキリスト教伝来,キリスト教と仏教との宗論,キリスト教への迫害天草島原の乱などを虚実とり混ぜて記したもので,幕府の鎖国政策を正当化し,キリスト教邪宗門観を民衆に広める立場で書かれている。65年(寛文5)《吉利支丹退治物語》として再版された。《続々群書類従所収
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「吉利支丹物語」の意味・わかりやすい解説

吉利支丹物語
きりしたんものがたり

著者不詳。2巻。寛永 16 (1639) 年成立キリシタンに関し,その伝来から始めて,信長の保護,安土宗論秀吉処置,宗門禁止など,天草の乱 (→島原の乱 ) にいたる事跡を 12項目に分けて,かな交じり文で記述してある。『続々群書類従』『吉利支丹文庫』『海表叢書』『日本思想闘諍史料』などに所収。

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