吉備泉(読み)きびのいずみ

改訂新版 世界大百科事典 「吉備泉」の意味・わかりやすい解説

吉備泉 (きびのいずみ)
生没年:743-814(天平15-弘仁5)

吉備真備(まきび)の子。父と同様武官と大学寮の学者官途を立身した。767年(神護景雲1)近衛将監で大学員外助を兼ね,769年左衛士督,770年(宝亀1)大学頭,778年造東大寺長官と順調であったが,桓武天皇には嫌われたのか,782年(延暦1)伊予守に左遷され,ここで下僚と衝突し,告訴されて785年佐渡権守に左降,さらに備中に移され,805年許され入京するまで不遇であった。平城天皇には重用され,観察使,右大弁,左大弁の要職歴任,正四位上まで昇った。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「吉備泉」の解説

吉備泉 きびの-いずみ

743-814 奈良-平安時代前期の公卿(くぎょう)。
天平(てんぴょう)15年生まれ。吉備真備(まきび)の子。大学頭(かみ),造東大寺長官ののち伊予守(いよのかみ)となって赴任したが,部下に告訴され,その取調官に不敬をはたらいて佐渡権守(ごんのかみ)に左遷。ゆるされて大同(だいどう)元年准参議,のち参議となった。弘仁(こうにん)5年閏(うるう)7月8日死去。72歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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