合・和・韲(読み)あえる

精選版 日本国語大辞典 「合・和・韲」の意味・読み・例文・類語

あ・える あへる【合・和・韲】

[1] 〘他ア下一(ハ下一)〙 あ・ふ 〘他ハ下二〙
① 重ね合わせる。うちかわす。
※古事記(712)下・歌謡「ももしきの 大宮人は 鶉鳥(うづらとり) 領巾(ひれ)取り掛けて 鶺鴒(まなばしら) 尾行き阿閇(アヘ) 庭雀(にはすずめ) 踞集(うずすま)りゐて」
② 他のものに合わせまじえる。まぜる。→あえぬく(━貫)
③ (和・韲) 菜や魚などを塩、酢、みそ、ごまなどと混ぜ合わせる。
今昔(1120頃か)三一「鮨鮎にこそ韲(あへ)たりけれ」
④ (③から) まぜかえす。じゃまをする。ごたごたする。
咄本・軽口機嫌嚢(1728)一「かりそめのこともおめでたいおめでたいであへる婚礼のさかづきごと」
⑤ (④から) ばかにする。なぶりものにする。
※洒落本・辰巳婦言(1798)昼遊の部「ぶたれたたかれあゑられもまれ」
[2] 〘自ア下一(ハ下一)〙 あ・ふ 〘自ハ下二〙 食べ物の味がなくなったり変わったりする。
※後撰(951‐953頃)雑一・一〇九五「塩なき年たたみあへてと侍りければ 塩といへば無くても辛(から)き世の中にいかであへたるたたみなるらん〈壬生忠見〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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