精選版 日本国語大辞典 「号」の意味・読み・例文・類語
ごう ガウ【号】
[1] 〘名〙
① (古くは「こう」とも) 呼び名。名称。称号。通称。
※中右記‐天永三年(1112)一〇月一三日「新造皇居無二指号一」
※尊卑分脈(14C中‐後)摂家相続孫「道長〈号御堂殿、又法成寺殿〉」 〔春秋左伝注‐僖公元年〕
② 特に、学者、文人、画家などが、本名、字(あざな)のほかに付ける名。雅号。
※史記抄(1477)一一「老子は号也」 〔後村題跋‐四〕
③ 雑誌などの、順序を追って発行するそれぞれをいう。
※落語・鉄拐(1890)〈禽語楼小さん〉「号を重ねるに従ひ漸漸(だんだん)お笑ひも薄く成りますし」
④ 絵画の画布の大きさの単位、一号をいう。→(二)⑤。
⑤ 汽笛や号砲。合図の音。
[2] 〘接尾〙
※新聞雑誌‐一号・明治四年(1871)五月「新聞雑誌定価 一号定価銀二匁当分一ケ月に三号宛出版」
② 列車、船、航空機、動物などの名前の下に付けて、それが名称であることを表わす。「こだま号」「タイタニック号」「神風号」
③ 順序のあるものの、その順序を示すために、数詞に付けて用いる。「第一号」「二号車」「三号室」
※雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉上「御存じの六号の書生が先日国へ帰るとき」
④ 活字の大きさを示すために数詞に付けて用いる。初号から始まって数が多くなるほど活字は小さくなる。
※校正の研究(1928)〈大阪毎日新聞社校正部〉五「わが基本活字は〈略〉これを五号といった」
⑤ 絵画で画布の大きさを示すために数詞に付けて用いる。一号から始まって数が多くなるほど大きくなる。
※和解(1917)〈志賀直哉〉八「十二号位の油絵の仕事を控へてゐる時だった」
ごう‐・する ガウ‥【号】
〘他サ変〙 がう・す 〘他サ変〙 (古くは「こうす」)
① 名づける。称する。呼ぶ。
※続日本紀‐和銅四年(711)一二月丙午「因即号レ狛、実非二真姓一、請復二本姓一、許レ之」
※今昔(1120頃か)三「其の国に仏出給へり、釈迦牟尼仏と号す」
② 「ごう(号)(一)①」として呼ぶ。号とする。
※史記抄(1477)一七「他の書に東郭先生と云は、東方朔が号したと云があるはすちない事ぞ」
③ 表向きそのように言いふらす。言いなす。称する。
※平家(13C前)一「忠盛朝臣、或は相伝の郎従と号して、布衣の兵(つはもの)を殿上の小庭にめしおき」
ごう‐・す ガウ‥【号】
〘他サ変〙 ⇒ごうする(号)
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