たい‐ふう【台風・颱風】
〘名〙 北太平洋西部、北緯五~二〇度付近に発生する
熱帯低気圧で最大風速毎秒一七・二メートル以上に発達したものをいう。特に夏から秋にかけては
暴風雨を伴って大陸沿岸地方・
フィリピン・日本などに襲来し、大規模な
風水害をもたらすことが少なくない。《季・秋》
※竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈
長与善郎〉竹沢先生と赤い月「一つの処に
低気圧が生じ、颱風が起る」 〔投荒雑録〕
[語誌](1)
メドハーストの「英華辞書」(
一八四七‐四八)では、
typhoon に「太風」「
颶風」があてられている。
(2)日本では平安時代から「野分」が用いられていたが、
明治になって、
片仮名で
タイフーンと書いたり、「大風」と表記したりするようになった。
岡田武松が明治四〇年(
一九〇七)に台風を学術的に定義付けたのを受け、大正時代から「颱風」が一般化した。
(3)「台風」は「颱風」の書き換え。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報