台風(2007年)(読み)たいふう/2007ねんのたいふう/にせんななねんのたいふう(英語表記)Tropical Cyclones in 2007

知恵蔵 「台風(2007年)」の解説

台風(2007年)

2007年の台風は、1〜9月までに13個発生と平年より5個ほど少ない発生ペースであったが、10月は6個と平年より多く、20号まで発生した。平年の発生数は26.7個であり、このままなら、平年より少ない年になる。しかし、上陸台風は、7月14日に鹿児島県大隅半島に4号(MAN-YI)、8月2日に宮崎県日向市に上陸した5号(USAGI)、9月7日に神奈川県小田原市付近に上陸した9号(FITOW)と既に3個で、平年の上陸数2.6個を上回っている。このうち、台風4号は、上陸時の気圧が945ヘクトパスカルと7月に日本に上陸した台風では過去最強で(7月以外では1961年9月16日に高知県室戸岬に上陸した第2室戸台風の925ヘクトパスカルなどの記録がある)、九州南部を中心に記録的な雨となり、大雨によって増水した川に流されるなどして、死者・行方不明者5人などの被害があった。台風の通過直後の7月16日に新潟県中越沖地震が発生し、中越地方は雨で地盤が緩んでいたこともあり土砂災害などが多発した。一方、空梅雨影響で深刻な水不足に陥っていた四国地方などでは、この台風により活発化した梅雨前線がもたらした大雨により、一気にダムの貯水率が回復した。

(饒村曜 和歌山気象台長 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android