可降水量(読み)かこうすいりょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「可降水量」の意味・わかりやすい解説

可降水量
かこうすいりょう

空気中に含まれている水分が、すべて雨や雪になって降ったと仮定したときの降水量場所あるいは季節により大気中の水蒸気量はかなり異なるが、地球上の平均でみれば、断面積1平方センチメートルの空気柱は約3グラムの水蒸気を含む。これは30ミリメートルの降水量にあたる。実際の降水量が可降水量よりもずっと多いのは、地球表面から絶えず水分が蒸発し、湿った空気が大規模な流れになって、次々と水蒸気を運んでくるためである。

[篠原武次]

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百科事典マイペディア 「可降水量」の意味・わかりやすい解説

可降水量【かこうすいりょう】

単位気柱(底面積1cm2)に含まれる水蒸気が全部凝結したと仮定したときの水の量を深さで表したもの。実際には水蒸気の中の一部(有効可降水量)が雨となって落下する。可降水量が大きい場合には大雨の降る可能性がある。通常,単位はミリメートル。

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世界大百科事典(旧版)内の可降水量の言及

【気候】より

… 降水量の分布は気温分布よりもさらに複雑である。地球全体の平均年降水量はおよそ1000mmであるが,大気中に含まれる水蒸気の総量を降水量に換算すると(可降水量という),25mmにしかならない。したがって地表面に降った雨や雪が大気中に蒸発して雲をつくり,ふたたび雨や雪となって降るという水の循環が,地球全体で1年に約40回繰り返されていることになる。…

※「可降水量」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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