可愛気(読み)かわゆげ

精選版 日本国語大辞典 「可愛気」の意味・読み・例文・類語

かわゆ‐げ かはゆ‥【可愛気】

〘名〙 (形動) (形容詞「かわゆい」の語幹に、接尾語「げ」の付いたもの)
※金刀比羅本保元(1220頃か)下「かはゆげなる死骸共を求出して」
撰集抄(1250頃)二「ことにこきえてかはゆげなる乞食に、着物をぬぎくれて、我身はただあはせなる物ばかり着て、かへりにけり」
※とはずがたり(14C前)三「をのこ子にてさへおはするを、なにの人かたとも見えわかず。かはゆげなるを膝に据ゑて」

かわい‐げ かはい‥【可愛気】

〘名〙 (形動) (形容詞「かわいい」の語幹に接尾語「げ」の付いたもの)
① いかにもかわいそうなこと。ふびんなさま。かわゆげ。
浄瑠璃・丹波与作待夜の小室節(1707頃)道中双六「偽ってしからふか、イヤかはいげにさふも成まい」
② いかにも愛らしいと感じさせること。他人好感を与えるさま。かわゆげ。かあいげ。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)三「可愛(カハイゲ)のある子」
※道(1910)〈石川啄木〉「可愛気のない人達だ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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