デジタル大辞泉
「召」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
めさ‐・れる【召】
〘他ラ下一〙 めさ・る 〘他ラ下二〙 (
動詞「めす(召)」に
尊敬の
助動詞「れる」の付いてできたもの)
[一] 「する(為)」の尊敬語。なさる。
※
史記抄(1477)八「
天子のめさるる事は民の先とするほとに」
※天草本伊曾保(1593)鶴と狼の事「ヲンヲモ シラヌ アクニンニ ヲンヲ ホドコサウズル
トキワ ヒトエニ テンタウエ タイシテ mesarei
(メサレイ)」
※
浄瑠璃・女殺油地獄(1721)中「
其方は自分の独り稼ぎもめさるる」
[二]
補助動詞として用いる。他の動詞の
連用形に付いて、尊敬の意を添える。…なさる。
※足利本人天眼目抄(1471‐73)下「翻転掀騰を皆出レ窟格に説召さるるは悪ぞ」
※
説経節・説経苅萱(1631)上「しげうぢどのの御すがた、みあげみおろしめされてに、とかくものをばぎょいなふて、まづさめざめとおなきある」
[
補注]
命令形には「めされよ」「めされい」の他、「
仏母摩耶山開帳‐一」の「身がいふ事を聞きめされ」のような「めされ」の形、さらに「鑓の権三重帷子‐上」の「秘伝残さず伝授めさ」や、「源頼家源実朝鎌倉三代記‐三」の「子孫永々安堵の
御教書、戴きめさとうやうやしく差出す所を」のような、省略された「めさ」の形もある。
めし【召】
※
大和(947‐957頃)一五「
若狭の御といひける人をめしたりけるが、又もめしなかりければ、よみて奉りける」
※
日葡辞書(1603‐04)「Mexini
(メシニ) ヲウズル」
② 貴人・上位者などが物などを取り寄せること。御請求。
※
源氏(1001‐14頃)
澪標「さるめしもやと、例にならひてふところにまうけたる、つか短かき筆など」
③ 貴人・上位者などが乗ること。お乗り。
※
曾我物語(南北朝頃)八「めしの
御馬はなれたりしが、御庭せばしとはせまはる」
めさ‐・る【召】
[2] 〘他ラ四〙 ((一)の変化したもの)
※浄瑠璃・用明天皇職人鑑(1705)四「ヲヲよい仕事めさったの」
※浄瑠璃・絵本太功記(1799)一〇日「孫十次郎は、城に残って居めさるか」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報