デジタル大辞泉
「只今」の意味・読み・例文・類語
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ただ‐いま【只今】
[1] 〘名〙 (「いま」を強調した語。副詞的にも用いる)
① 過去と未来との境になる時。現在。目下。時間的な幅はさまざまで
来世に対比した
現世をいう場合もある。
※
蜻蛉(974頃)上「日々に問ふめれど、ただいまは何心もなきに」
※
今昔(1120頃か)四「只今は賢き様なれども、後の世には露許も益を得る事无ければ」
② ごく近い過去の時、過ぎ去ったばかりの時や
物事をさしていう。たった今。つい今しがた。
※
源氏(1001‐14頃)
末摘花「たち退
(の)きて、ただいまおはするやうにて、うちたたき給ふ」
※説経節・説経苅萱(1631)下「たたいまおもひだいたるふぜひにて」
③ ごく近い未来の時。また、ある時点からの、ごく短い時間の経過をさしていう。特に副詞的に用いることが多い。すぐ。すぐさま。すぐその時。
※天理本金剛般若経集験記平安初期点(850頃)「長報へて云はく、適(タタイマ)公の為に一の小羊を殺さ欲(むとす)」
※枕(10C終)九「この翁丸うちてうじて、
犬島へつかはせ。ただいま、と
仰せらるれば」
④ (③から転じて) 距離的に近いさまをいう。すぐそこ。
※
読本・
春雨物語(1808)樊噲下「うかれて嶋二つただよひたり。又
此岸よりもただ今と見るを」
[2] 〘感動〙
① (「ただいま帰りました」の略)
出先からもどったときなどの
挨拶(あいさつ)の
ことば。
※
洒落本・妓娼
子(1818‐30)上「はきものを見てかた
わきのほうから上り『只今おやばからしうざいますわな、どこからお客だと思ったよ』」
※
浮雲(1887‐89)〈
二葉亭四迷〉一「ハイ只今、大層遅かったらうネ」
② 呼ばれたり、頼まれたりしたときなどに、いますぐ実行するという意でいう挨拶のことば。
※
腕くらべ(1916‐17)〈
永井荷風〉一五「『それよりかお酒を願いませう』『只今。畏りました』」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「只今」の読み・字形・画数・意味
【只今】しこん
ただいま。現在。唐・李白〔越台覧古〕詩 只今惟だ西江ののみ在り 曾(かつ)て照らす、王宮裏の人字通「只」の項目を見る。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報