叩放・敲放（読み）たたきばなし

精選版 日本国語大辞典

たたき‐ばなし【叩放・敲放】

〘名〙

① たたいてそのままほうっておくこと。

② (敲放) 江戸時代の刑罰の一つ。敲(たたき)の刑を行なってそのまま放免すること。たたきばらい。

※談義本・虚実馬鹿語（1771）五「御番所へお引わたしなさるるか、軽い分でたたきはなしと覚悟いたし」

③ 利用したあとで、相応の報酬も与えないで関係を絶つこと。自分勝手にしておいて後のことをかまわないこと。

※洒落本・魂胆惣勘定（1754）下「女郎をあやなしなけなしのいせうをはぎしまひ、俗にいふたたきばなしとやらにするものあり」

④ 物を売るとき、値段がつくのにまかせること。

※洒落本・仕懸文庫（1791）二「もんぜんとは、たたきばなしにうるといふこと」

出典　精選版 日本国語大辞典