古銭学(読み)コセンガク(英語表記)numismatics

デジタル大辞泉 「古銭学」の意味・読み・例文・類語

こせん‐がく【古銭学】

古代から近代までの貨幣・メダルの形・意匠銘文などを研究する学問考古学神話学・美術史学と密接に関連する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「古銭学」の意味・わかりやすい解説

古銭学
こせんがく
numismatics

古代から近代までの貨幣、メダルの形、意匠、銘文、成文などを研究する学問。ギリシアローマの貨幣を対象として始まった。古代ギリシア貨幣の意匠としては、動植物を使用する時代、動植物と神の姿を併用して用いる時代、神と英雄の姿を表す時代、王と神を表裏に表す時代の4期に分けられている。中国では宋(そう)代に古銭研究が始まり、清(しん)代には研究が大きく進んだ。また1983年には中国銭幣学会が設立され、中国貨幣の研究とともに各国との交流をも図っている。古銭学はそれ自体独立した学問であるが、考古学、銘辞学、神話学、美術史学などとも密接な関連をもっている。

[寺島孝一]

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百科事典マイペディア 「古銭学」の意味・わかりやすい解説

古銭学【こせんがく】

古代から近代にいたる貨幣メダルを研究する学問。〈古泉学〉とも。年代,銘文,図案重量,発行国,流通地域,金属成分などの研究により,遺跡の年代,王朝系譜,経済機構などの究明も可能になり,歴史学,考古学の補助学として重要。ヨーロッパでは大英博物館,日本では日本銀行貨幣標本室などが古銭の系統的収集施設として知られる。古銭の収集はまた趣味として広く行われ,江戸時代から流行して貨幣図なども刊行された。

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