古里・故郷(読み)ふるさと

精選版 日本国語大辞典 「古里・故郷」の意味・読み・例文・類語

ふる‐さと【古里・故郷】

〘名〙
① 以前、都などがあって栄えたが今はさびれている土地。旧都。旧跡
万葉(8C後)六・九九二「古郷(ふるさと)飛鳥はあれどあをによし奈良の明日香を見らくし好しも」
② 昔から一族の住んできた土地。また、生まれ育った土地。郷里。こきょう。
※万葉(8C後)四・六〇九「情ゆも我は思はずきまたさらに吾が故郷(ふるさと)に還り来むとは」
③ かつて通ったり住んだりした土地や家。昔なじみの場所。
古今(905‐914)春上・四二「ひとはいさ心もしらずふるさとは花ぞむかしのかににほひける〈紀貫之〉」
④ 宮仕え先や旅先などに対して、自宅の謙称
※紫式部日記(1010頃か)寛弘五年一一月「見どころもなきふるさとの木立を見るにも、ものむつかしう思ひみだれて」
⑤ (比喩的に) 精神的なよりどころ。
スタンダールの小説主張(1943)〈大井広介〉「杉山は、ジュリアンがレナール夫人を狙撃しながらおほらかな愛情にこころのふるさとを見出し」
⑥ 女陰の異称。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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