古都アユタヤ(読み)ことアユタヤ

世界遺産詳解 「古都アユタヤ」の解説

ことアユタヤ【古都アユタヤ】

1991年に登録された世界遺産(文化遺産)。タイ中部、首都バンコクの北約70kmに位置するアユタヤ県にある遺跡群である。これらの遺跡群は、チャオプラヤー川とその支流であるパーサック川、ロッブリー川に囲まれた地域に集中し、ワット・プラ・シー・サンペット、ワット・ロカヤ・スタなどの上座部仏教(小乗仏教)の寺院跡や、かつてのアユタヤ朝のバン・パイン宮殿(離宮)跡などが残っている。アユタヤ王朝は1351~1767年に栄えたタイ族の王朝で、中国、日本、琉球などの東アジア国家、東南アジアの諸島、アラブ・ペルシアなどとの交易で栄えた。上座部仏教を信仰していた歴代の王は、その膨大な貿易の富により、数々の寺院(ワット)を建設した。同王朝は1767年にビルマ(現・ミャンマー)の攻撃を受けて滅亡した。その際、アユタヤの建造物や仏像は徹底的に破壊され、ほとんどの寺院は廃墟となったが、ワット・プー・カオ・トンなどは残されている。◇英名はHistoric City of Ayutthaya

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android