古神道(読み)こしんとう

精選版 日本国語大辞典 「古神道」の意味・読み・例文・類語

こ‐しんとう ‥シンタウ【古神道】

〘名〙 仏教儒教などの影響を受ける以前の日本固有の神道
古寺巡礼(1919)〈和辻哲郎〉七「もとこの像は三輪山神宮寺本尊であって、明治維新神仏分離の際に、古神道の権威におされて、路傍に放棄せられるといふ悲運に逢った」

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デジタル大辞泉 「古神道」の意味・読み・例文・類語

こ‐しんとう〔‐シンタウ〕【古神道】

儒教・仏教など外来思想の流入以前に存在したとされる古代の神道。→復古神道

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「古神道」の意味・わかりやすい解説

古神道
こしんとう

仏教の渡来または仏教との習合以前に日本にすでに存していたとされる固有の信仰儀礼総称。特定の教祖,教団組織はなく,地域あるいは血縁共同体としての自然崇拝,祖先信仰,神意判断などをそのおもな内容とする。具体的には,『古事記』『日本書紀』『祝詞』『万葉集』などに表われている祭祀,世界観,行動様式ということになるが,むしろ仏教や習合神道流布という現実に不満をいだきながら,日本古来の伝統を求めた国学者や神道家によって,江戸時代に入ってから描き出された宗教という側面が強い。本居宣長は「古道」という名でこれを表わし,平田篤胤は「古学」,大国隆正は「本学」という言葉で古神道追求の立場を表現した。

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