古市(三重県)(読み)ふるいち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「古市(三重県)」の意味・わかりやすい解説

古市(三重県)
ふるいち

三重県中東部、伊勢市(いせし)の一地区。伊勢神宮の内宮(ないくう)と外宮(げくう)の間の小高い台地を間(あい)の山といい、参宮路が通じるが、古市はその沿道にあり、伊勢参り客の精進(しょうじん)落としの場としてにぎわった。遊廓(ゆうかく)、茶店、旅館が800軒もあり、歌舞伎(かぶき)『伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)』の舞台となった油屋や、備前(びぜん)屋、杉本屋などが軒を並べた。第二次世界大戦の戦火により焼失し、昔日のおもかげはほとんど残っていない。参宮路沿いに伊勢参りや古市の歴史を紹介する伊勢古市参宮街道資料館がある。

[伊藤達雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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