古今図書集成(読み)ここんとしょしゅうせい(英語表記)Gǔ jīn tú shū jí chéng

精選版 日本国語大辞典 「古今図書集成」の意味・読み・例文・類語

ここんとしょしゅうせい ココントショシフセイ【古今図書集成】

中国、清代の類書。一万巻。康熙帝の時、誠親王胤祉の命により陳夢雷(ちんぼうらい)撰。のち雍正帝の命により蒋廷錫らが増訂。雍正三年(一七二五成立、同六年刊。明の「永楽大典」に基づき、古今典籍から事項を抜粋し、暦象博物経済など六編を設け、三二典六一〇九部に分類したもの。欽定古今図書集成

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デジタル大辞泉 「古今図書集成」の意味・読み・例文・類語

ここんとしょしゅうせい〔ココントシヨシフセイ〕【古今図書集成】

中国清代の百科事典。1万巻。陳夢雷らの編。のち、蒋廷錫しょうていしゃくらが増訂。1725年成立。現存する中国最大の類書。欽定きんてい古今図書集成。

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改訂新版 世界大百科事典 「古今図書集成」の意味・わかりやすい解説

古今図書集成 (ここんとしょしゅうせい)
Gǔ jīn tú shū jí chéng

中国,清初に編纂された中国最大の類書百科全書)。1万巻。暦象,方輿,明倫,博物,理学,経済の6彙編を32典に,またそれを6109部に分かち,各部を彙考,総論図表,列伝,芸文,選句,紀事,雑録の諸事項に区分している。1698年(康煕37)に康煕帝勅命を受けた陳夢雷が纂修館総裁となって,この編纂事業は始まった。以来24年を経てなお刊行に至らぬまま雍正帝の世を迎えたとき,彼は清初の三藩の乱に荷担した罪を問われて黒竜江省に流されたので,あらためて蔣廷錫が勅を奉じて事業を継承し,1725年(雍正3)に完成,翌々年に銅版印刷法を用いて64部を刷った。同書はその後の学術の進展にさほど寄与したと思えないが,後年乾隆帝が《四庫全書》を編纂させたとき,《古今図書集成》未収書を《永楽大典》から復元させるなど編集の規範として役立てられたほか,500部以上の書物を乾隆帝に進献した鮑士恭,范懋柱,汪啓淑,馬裕の4家に恩賞として各1部が下賜されたという。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「古今図書集成」の意味・わかりやすい解説

古今図書集成
ここんとしょしゅうせい

中国最大の百科事典(類書)。1万巻。清(しん)の康煕(こうき)年間(1662~1722)陳夢雷(ちんぼうらい)が勅命によって、中国古今のあらゆる図書から記事を抜き出して、事項別に編纂(へんさん)した。もとの名は『彙編(いへん)』といったが、康煕帝は『欽定(きんてい)古今図書集成』と名を改めた。さらに、蒋廷錫(しょうていしゃく)らが雍正帝(ようせいてい)の命を受け、増訂して1725年12月完成した。内容は、(1)暦象彙編―乾象(けんしょう)典、歳功典、暦法典、庶徴典、(2)方輿(ほうよ)彙編―坤輿(こんよ)典、職方典、山川典、辺裔(へんえい)典など6彙編32典に分けられ、さらに6109部に細分されている。各部はほぼ彙考、総論、図表、列伝、芸文(げいもん)、選句、紀事、雑録、外編に区分して記載してある。本書は非常に膨大なものなので、ある事項をみるうえでは便利であるが、かならず原典にあたる必要がある。雍正版のほか光緒(こうしょ)一〇年(1884)版があり、事項検出には『古今図書集成分類目録』(1912・文部省編)などが便利である。

[川越泰博]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「古今図書集成」の意味・わかりやすい解説

古今図書集成
ここんとしょしゅうせい
Gu-jin tu-shu ji-cheng; Ku-chin t`u-shu chi-ch`êng

中国,清代の類書 (現代の百科事典に近いもの) 。1万巻。中国最大の類書。陳夢雷が編纂。古今の図書から記事を抜き出し,それを事項別に配列したもの。初め康煕帝の命によって陳夢雷が編纂し,名も『彙編 (いへん) 』といったのを,さらに蒋廷錫 (しょうていしゃく) らが命を受けて増訂し,現在の名に改めたもので,雍正3 (1725) 年完成した。暦象,方輿 (よ) ,明倫,博物,理学,経済の6彙編に大別され,それがさらに 32典,6109部に細分され,各部について記事がまとめられている。原本は銅活字本だが,わずか 64部しか刷られておらず,現在利用されている流布本 (光緒 10〈1884〉,上海図書集成局刊) は誤りが多い。また光緒 16 (90) 年に上海同文書局が影印したものは考証がつけられ,流布本よりすぐれている。

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百科事典マイペディア 「古今図書集成」の意味・わかりやすい解説

古今図書集成【ここんとしょしゅうせい】

中国の古今の図書から抽出し,事項別に編纂(へんさん)した類書。1万巻。清の陳夢雷(ちんぼうらい)〔?-1741〕が勅命を受け編纂。《永楽大典》に準拠し,原題は《彙(い)編》。康煕帝が《欽定古今図書集成》と定めた。次いで蒋廷錫〔1669-1732〕が命を受け増訂出版。1725年完成。6彙編,32典,6109部。銅版印刷法で刷られた。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「古今図書集成」の解説

『古今図書集成』(ここんとしょしゅうせい)

清代にできた類書(百科事典)。1万巻。康熙(こうき)帝雍正(ようせい)帝の命により編纂され,1725年に完成,出版された。6大部門,32典,6109部に分け,古今の典籍から記事を抜き出していて,すこぶる便利である。

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旺文社世界史事典 三訂版 「古今図書集成」の解説

古今図書集成
ここんとしょしゅうせい

清の康熙 (こうき) 帝から雍正 (ようせい) 帝にかけて編纂 (へんさん) された中国最大の類書(百科事典)
古今の図書から記事をぬき出したもので1万巻。暦象・方輿・明倫・博物・理学・経済の6大部門・32典・6109部に分類され,それぞれの発達・変遷を知ることができる。

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