日本大百科全書(ニッポニカ) 「口銭(こうせん)」の意味・わかりやすい解説 口銭(こうせん)こうせん 「くちせん」とも読む。(1)一般には商業利潤のこと。中世には問丸(といまる)の得分をさしたが、江戸時代に問屋(といや)制度が確立すると、販売上の仲介手数料のほかに、当時の問屋は運送や保管を行ったので、それらの諸掛りをも含めて口銭とよび、荷主や買い主から徴収した。その後、江戸後期には口銭の内容も変化して、問屋が融通する資本の利子的要素をもつようになった。(2)年貢の付加税の一種で口永(くちえい)のことをさす。金納の本租100文に対し3文を納めるものとされた。「くちぜに」とも読む。[土肥鑑高][参照項目] | 口米・口永 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例