口号(読み)くちうた

精選版 日本国語大辞典 「口号」の意味・読み・例文・類語

くち‐うた【口号】

〘名〙 文字に書かず、感興のままに口に出して吟詠する詩歌即興によむ歌や詩。また、その詩歌を吟ずること。
書紀(720)斉明四年一〇月(北野本南北朝期訓)「愴爾み悲泣びたまふ。乃ち口号(クチウタ)して曰はく」

こう‐ごう ‥ガウ【口号】

〘名〙 詩歌・俳句などを口ずさむこと。また、口ずさみながらつくる即興的な詩句口吟。〔菅家後集(903頃)〕
佳人之奇遇(1885‐97)〈東海散士一一「舵楼に上り、小詩を口号す」 〔李商隠‐詠懐寄秘閣旧僚詩〕

くつ‐うた【口号】

※書紀(720)斉明四年一〇月(北野本訓)「乃ち口号(クツウタ)して曰く」

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デジタル大辞泉 「口号」の意味・読み・例文・類語

こう‐ごう〔‐ガウ〕【口号】

[名](スル)詩歌などを口ずさむこと。また、即興の詩。
「雨を冒して舵楼に上り、小詩を―す」〈東海散士佳人之奇遇

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普及版 字通 「口号」の読み・字形・画数・意味

【口号】こうごう(がう)

題を定めず、即興的に歌う。〔水燕談録、高逸〕林の呂學士、~二(欧陽脩・趙)を宴す。(脩)親しく口號を作る。金馬玉堂の三學士 風名、兩の人の句り。天下之れを傳ふ。

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改訂新版 世界大百科事典 「口号」の意味・わかりやすい解説

口号 (こうごう)
kǒu hào

中国文学の術語。(1)口から出るままに吟誦して作られた詩。たとえば,杜甫〈紫宸殿退朝口号〉がそれ。梁の簡文帝庾肩吾(ゆけんご),王筠(おういん)が同時に作った古詩が,現存最古とされるが,後世では,たいてい絶句か律詩の短い詩である。(2)宋代,宮廷における祝日の宴会のとき,教坊(楽師)が音楽を奏する前に,天子の聖徳を頌してとなえる詩。蘇軾(そしよく)《東坡楽語》中の口号はそれで,詩形は七言律詩を用いる。
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