取落(読み)とりおとす

精選版 日本国語大辞典 「取落」の意味・読み・例文・類語

とり‐おと・す【取落】

〘他サ五(四)〙
① 手に持っていた物を落とす。取ろうとして誤って落とす。
謡曲盛久(1423頃)「取り落としたる太刀を見れば」
② (「とり」は接頭語) 持物などをうっかりなくす。また、正気を失う。
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一〇「正気を取り落したるものと認めて差支あるまい」
③ (「とり」は接頭語) 入れるはずのものをうっかりしてもらす。気がつかないで抜かす。忘れる。
平家(13C前)七「あまりにあはてさはいでとりおとす物ぞおほかりける」

とり‐おとし【取落】

〘名〙 手から落とすこと。また、うっかり忘れること。抜かすこと。
※大学垂加先生講義(1679)「もはや其人の上に細緊のところにとり落しはなき也」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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