取組(読み)とりくむ

精選版 日本国語大辞典 「取組」の意味・読み・例文・類語

とり‐く・む【取組】

〘自マ五(四)〙
相手となって組み合う。組みつき合う。
色葉字類抄(1177‐81)「拏 ヒコツラフ トリクム事也」
② 手を組む。手をとり合う。
平家(13C前)四「手をとりくみ、肩をならべてわたすべし」
③ 相手となって争う。勝負をする。
相撲をとる。
※俳諧・詞林金玉集(1679)一一「とりくむや手と手と四つの辻相撲〈可雪〉」
⑤ 熱心に手がける。全力をあげてことにあたる。
故旧忘れ得べき(1935‐36)〈高見順〉七「ものごとに対して真剣に取りくんで行く彼女の態度は」
⑥ 組み立てる。仕組む。組織する。
浮世草子・好色一代男(1682)五「挟箱よりたたみ家躰取組(トリクミ)
※談義本・化物判取牒(1755)四「旅芝居出来て〈略〉曾我狂言をとりくみけるが」
⑦ 取引市場で売りと買いと組み合う。

とり‐くみ【取組】

〘名〙
① 相手になって組み合うこと。
宝物集(1179頃)「ましてあやしの下すどもの、髪かなぐり、とりくみ、ひくみすることはむべり」
組み合わせること。仕組むこと。また、とり合わせ。
景感道(1504‐21)「是は取組(トリクミ)面白、見ぬと有所を花もなしと云ひたる所、おとなしく中の風情也」
③ 相撲の組み合わせ。転じて、勝負。
洒落本・風流仙婦伝(1780)「其上角力会といふ事ありて西東とわかれ勝負付取組(トリクミ)のと」
物事問題などの解決をめざして懸命にあたっていくこと。
信用取引清算取引での売り方と買い方との関係をいう。売買約定のこと。
※浮世草子・日本新永代蔵(1713)四「金銀取くみの手だてを聞はつり」

とっ‐く・む【取組】

〘自マ五(四)〙 「とりくむ(取組)」の変化した語。
咄本・鹿の子餠(1772)唐相撲「取(トッ)くんだところ、なんの手もなく唐人になげられ、目をまわして起あがらねば」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「取組」の意味・読み・例文・類語

とり‐くみ【取(り)組(み)】

取り組むこと。物事にあたること。「問題への取り組み
組み合わせること。取り合わせ。特に、相撲の組み合わせ。「好取り組み
信用取引で、売り残と買い残の状態または関係。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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