取替・取換(読み)とりかえ

精選版 日本国語大辞典 「取替・取換」の意味・読み・例文・類語

とり‐かえ ‥かへ【取替・取換】

〘名〙
① (「とりがえ」とも) 代わりとなるもの。ひかえ。身がわり。
源氏(1001‐14頃)竹河「せめて人の御恨みふかくはと、とりかへありて思すこの御参りを」
② とりかえること。交換。
※開化問答(1874‐75)〈小川為治〉初「世のひらけはじめの交易は、いはゆる物と物との取替(トリカ)へにて」
③ 代わりの品にみられるような、元の品と多少は異なっている点。ほんの少しのちがい。
源平盛衰記(14C前)二三「汝が旗の余(あまり)にとりかへもなく似たるに」
金銭を立て替えること。金銭を一時用立てること。また、その金銭。
※鵤荘引付‐享祿二年(1529)「会米参石分法徳取替間、代米三石渡落居雖之」

とり‐か・える ‥かへる【取替・取換】

〘他ア下一(ハ下一)〙 とりか・ふ 〘他ハ下二〙 (室町時代頃からヤ行にも活用した)
① 他の物にかえる。新しいものと入れかえる。
万葉(8C後)一一・二八二九「衣しも多くあらなむ取易(とりかへ)て著ればや君が面忘れたる」
② 互いに取りかわす。かえあう。交換する。
※源氏(1001‐14頃)花宴「扇ばかりをしるしにとりかへて出で給ひぬ」
③ 金などを立て替える。金銭や米を、一時用立てる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※天理本狂言・胸突(室町末‐近世初)「米をとりかへたが、ひさしう、さん用をいたさぬ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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