収斂剤(読み)しゅうれんざい

精選版 日本国語大辞典 「収斂剤」の意味・読み・例文・類語

しゅうれん‐ざい シウレン‥【収斂剤】

〘名〙 外用または内服により粘膜や創面の蛋白質に作用し、不溶性の被膜を形成して局所を保護する薬剤硝酸銀硫酸亜鉛ミョウバンゲンノショウコの類。〔和英語林集成初版)(1867)〕

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デジタル大辞泉 「収斂剤」の意味・読み・例文・類語

しゅうれん‐ざい〔シウレン‐〕【収×斂剤】

皮膚または粘膜のたんぱく質と結合して被膜を形成し、細胞膜透過性を低下させる薬剤。酸化亜鉛硫酸アルミニウムタンニン酸など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「収斂剤」の意味・わかりやすい解説

収斂剤
しゅうれんざい

皮膚や粘膜の局所に作用し、収斂作用を現す薬剤。タンパクを凝固して炎症をとり、被膜をつくって保護するほか、血管を収縮して止血したり、下痢を阻止する。タンニン酸、ビスマス製剤、アルミニウム亜鉛、鉛の塩類がある。外用ではアストリンゼントとして硫酸亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ミョウバンの水溶液が用いられる。また湿布薬として酢酸鉛溶液、タンニン酸溶液が用いられ、消炎・鎮痛作用を有する。タンニン酸アルブミン次硝酸ビスマス、次サリチル酸ビスマスなどは止痢剤として用いられたが、ビスマス塩の大量投与で精神症状が現れたため、一般用にはビスマス塩は使用されなくなり、また、デルマトールとして外用に用いられたが、これも現在ではほとんど使用されていない。硫酸亜鉛は点眼剤にも用いられる。わきが臭をとるのに塩化アルミニウム液、ミョウバン液が用いられるのも、収斂作用を利用したものである。

[幸保文治]

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