家庭医学館 の解説
はんぷくせいふくつうはんぷくせいさいせんつう【反復性腹痛(反復性臍疝痛) Recurrent Abdominal Pain】
子どもは、しばしば、くり返す腹痛を訴えます。2歳以下の小さな子どもの場合、急性胃腸炎などのからだの病気が腹痛の原因として見つかることが多いのですが、幼稚園児、学童の場合は、からだの病気がないことが少なくありません。突然おなかの痛みが出現し、自然に治り、また出現することをくり返していても特別な基礎疾患がないものを反復性腹痛と呼びます。また、この腹痛はおへそ(臍(さい))の周辺に多いことから、反復性臍疝痛(はんぷくせいさいせんつう)とも呼ばれます。
[症状]
腹痛の持続時間は、数分から数時間にわたることがあり、顔面蒼白(がんめんそうはく)、頭痛、吐(は)き気(け)をともなうこともあります。腹痛がないときは、元気で、腹痛を重ねるごとに症状が強くなりますが、病気が重くなるような印象はありません。夢中になって遊んでいるときは訴えが少なく、入眠後に腹痛で目が覚めることは、ふつうありません。また、週末や長い休みに入ると訴えが減る傾向がみられることもあります。
神経質な子どもや神経質な家庭で育っている子どもにおこりやすく、ストレスが神経系にはたらきかけて腹痛を感じさせていると考えられます。
[治療]
特別な治療は必要ではありませんが、ストレス、不安などのもとを取り除き、安定した、明るい生活をさせることが、治療になります。