反すう(芻)胃

栄養・生化学辞典 「反すう(芻)胃」の解説

反すう胃

 ウシヤギヒツジなどの第一胃と第二胃は食物を蓄え,必要な場合は反すうする.この両方の胃を合わせて反すう胃という.ここには微生物が多く生息し,宿主が摂取した食物を活発に分解する.また,物質代謝も活発で糖の分解によって揮発性脂肪酸(酢酸,プロピオン酸,酪酸など)を生成し,アミノ酸を脱アミノしたり,メタンの生成,不飽和脂肪酸の飽和脂肪酸への還元なども行われる.ここに存在する微生物のために反すう動物セルロースのように単胃動物では消化できない物質も消化して利用することができる半面デンプンや易消化性タンパク質などの利用率を低下させる面もある.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android