双極子相互作用（読み）ソウキョクシソウゴサヨウ

化学辞典 第2版

双極子相互作用
ソウキョクシソウゴサヨウ
dipole-dipole interaction

電気双極子または磁気双極子間の相互作用．双極子モーメント p₁，p₂ をもつ2個の双極子を結ぶベクトルをr，その大きさをrとすると，相互作用のエネルギーVは，CGS単位系では，

で与えられる．MKSA単位系では，電気双極子の場合は4π ε₀，磁気双極子の場合は4π μ₀で上式を割った値となる．ここで，ε₀ および μ₀ はそれぞれ真空の誘電率と透磁率である．この相互作用による力は，電気的に中性の分子間にはたらく静電力の主要な部分をなす．また，電子スピンおよび核スピンに伴う磁気双極子間の相互作用は，磁気共鳴の分野で重要な意味をもつ．[別用語参照]分子間力

出典　森北出版「化学辞典（第2版）」

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

双極子相互作用
そうきょくしそうごさよう
dipole-dipole interaction

2つの双極子の間に働く力の作用。分子が電気双極子をもつとき，分子間力の原因にもなる。双極子モーメント P₁ ，P₂ の相互作用のポテンシャルエネルギー U は国際単位系で U＝{P₁・P₂－3(P₁・r)(P₂・r)/r²}/4πε₀r³ で与えられる。ε₀ は真空の誘電率，r は双極子間の距離，r は双極子間の位置ベクトルである。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典