去痰剤(粘液溶解剤)(読み)キョタンザイネンエキヨウカイザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「去痰剤(粘液溶解剤)」の解説

去痰剤(粘液溶解剤)

製品名
《アセチルシステイン製剤》
ムコフィリン(サンノーバ、エーザイ
《アンブロキソール塩酸塩製剤》
アンブロキソール塩酸塩岩城製薬、科研製薬、共和薬品工業、小林化工、沢井製薬、三和化学研究所、全星薬品工業、全星薬品、第一三共、第一三共エスファ、辰巳化学、長生堂製薬、鶴原製薬、東和薬品、日医工、日新製薬ニプロ、日本ジェネリック、日本薬品工業、富士フイルムファーマ、陽進堂、わかもと製薬)
アンブロキソール塩酸塩OD(三和化学研究所、沢井製薬、全星薬品工業、全星薬品、ニプロ)
アンブロキソール塩酸塩小児用(岩城製薬、高田製薬、辰巳化学、武田テバファーマ、武田薬品工業、東和薬品、ローマン工業)
アンブロキソール塩酸塩L(沢井製薬)
塩酸アンブロキソール(杏林製薬、キョーリンリメディオ)
グリンクール(日本ケミファ、日本薬品工業)
コトブロール(寿製薬)
小児用ムコソルバン(帝人ファーマ)
小児用ムコソルバンDS(帝人ファーマ)
ノンタス(小野薬品工業、東洋製薬化成)
プルスマリンA(高田製薬)
プルスマリンA小児用(高田製薬、日本化薬、ローマン工業)
ポノフェン(セオリアファーマ、武田薬品工業)
ポノフェンSR(セオリアファーマ、武田薬品工業)
ムコサール(サノフィ)
ムコサール‐L(サノフィ)
ムコソルバン(帝人ファーマ)
ムコソルバンL(帝人ファーマ)
ムコソルバンDS(帝人ファーマ)
ムコソレート(三和化学研究所、武田テバファーマ、武田テバ薬品、武田薬品工業)
ムコソレートL(アルフレッサファーマ、武田テバファーマ、武田テバ薬品、武田薬品工業)
ムコブリン(龍角散)
《L‐エチルシステイン塩酸塩製剤》
チスタニン(ニプロESファーマ)
《L‐メチルシステイン塩酸塩製剤》
ペクタイト(キッセイ薬品工業
《桜皮エキス製剤》
サリパラ(丸石製薬)
《カルボシステイン製剤》
カルボシステイン(小林化工、沢井製薬、大興製薬、高田製薬、武田テバファーマ、武田薬品工業、辰巳化学、東和薬品、ニプロESファーマ、日本ジェネリック)
カルボシステイン小児用(武田テバファーマ、武田薬品工業、東和薬品、ニプロESファーマ)
カルボシステインDS(高田製薬、鶴原製薬、東和薬品)
シスダイン(武田テバファーマ、武田テバ薬品、武田薬品工業)
C‐チステン(鶴原製薬、日医工、日本ジェネリック)
ムコダイン(杏林製薬)
ムコダインDS(杏林製薬)
《ジヒドロコデイン配合剤》
セキコデ(日医工)
オピセゾールコデイン(日医工、三和化学研究所)
《生薬配合製剤》
オピセゾールA(日医工)
キョウニン水(小野薬品工業、健栄製薬、シオエ製薬、司生堂製薬、東洋製薬化成、日興製薬、日本新薬、日本ジェネリック、丸石製薬、山善製薬)
セネガシロップ(小野薬品工業、健栄製薬、シオエ製薬、東海製薬、東洋製薬化成、中北薬品、ニプロ、日興製薬、日本ジェネリック、日本新薬、ファイザー、丸石製薬、山善製薬、吉田製薬)
《ブロムヘキシン塩酸塩製剤》
ビソルボン(サノフィ)
ブロムヘキシン塩酸塩(コーアイセイ、皇漢堂製薬、沢井製薬、武田テバファーマ、武田薬品工業、東和薬品、日医工)

 たんの粘り気を低下させて排出しやすくしたり、たんを溶かして排出しやすくする薬です。感冒かぜ)、気管支炎気管支拡張症咽頭炎いんとうえん喉頭炎こうとうえん肺結核塵肺症じんぱいしょう手術後などのたんを排出するために使用されます。副鼻腔炎ふくびくうえん蓄膿症ちくのうしょう)のうみを排出する効果をもつ薬もあります。


 L‐メチルシステイン塩酸塩製剤カルボシステイン製剤アンブロキソール塩酸塩製剤は、気管支喘息ぜんそくに伴うたんの排出にも使用されます。


 ブロムヘキシン塩酸塩製剤L‐エチルシステイン塩酸塩製剤副作用がほとんどない)、L‐メチルシステイン塩酸塩製剤などのように、たんを分解して粘り気を低下させ、たんを排出しやすくする薬が主流で、広く使われています。また、たんを発生させる糖蛋白とうたんぱくを減少させる作用のあるカルボシステイン製剤、気管支内壁を潤滑にする物質を生産してたんを排出しやすくするアンブロキソール塩酸塩製剤などが開発され、1日1回服用で効果のある徐放性製剤もあります。


 ブロムヘキシン塩酸塩製剤のように、せきを鎮め、同時に呼吸困難を改善する作用をもつ薬もあります。


①過敏症状(発疹ほっしん、かゆみなどのアレルギー症状)のほか、アンブロキソール塩酸塩製剤では、ショック、アナフィラキシー、皮膚粘膜眼症候群、カルボシステイン製剤では、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症(発熱を伴う皮膚・粘膜の異常)、肝機能障害、黄疸おうだん、ショック、アナフィラキシー、ジヒドロコデイン配合剤では、依存性、呼吸抑制、錯乱、無気肺、気管支けいれん、喉頭浮腫、麻痺性イレウス、中毒性巨大結腸症、血清カリウム値低下、アセチルシステイン製剤では、気管支閉塞、気管支けいれんが現れることがあります。これらの症状が現れたら使用を止め、医師に相談してください。


吐き気嘔吐おうと、食欲不振、腹痛、胃部不快感のほか、薬によっては頭痛、のどの渇き、かゆみ、発疹ほっしん・紅斑、じんましん、むくみ、発熱、呼吸困難、下痢、まれに血痰けったん、またアンブロキソール塩酸塩製剤では、血管浮腫などがおこることがあります。このような症状が現れたら、医師に相談してください。


①錠剤、細粒、液剤、吸入剤などがあります。1日の使用回数と使用時間・1回の使用量については医師の指示をきちんと守り、かってに中止したり、増量・減量しないでください。内服剤を服用するときは、十分な水(コップ1杯の水)で飲み、液剤やシロップ剤は、使う前によく振ってから用いてください。


②あらかじめ問診の際に、持病・アレルギーなどの有無や、現在使用中の薬の有無を医師に報告するとともに、使用前に薬の効果と副作用について医師・薬剤師からよく説明を聞き、注意事項をきちんと守ってください。ジヒドロコデイン配合剤では、重い呼吸抑制、気管支喘息発作、心不全、けいれん状態、急性アルコール中毒などでは使用できません。


 とくに妊婦、現在妊娠している可能性のある人は、必ず医師に報告してください。胎児に悪影響が出るので、使用できない薬があります。


 また、母乳で授乳中の人や、肝障害、心臓障害がある人も医師に報告してください。使用する場合は医師の指示を厳重に守ってください。


③これらの薬を使用中にほかの薬を使う必要がある場合は、必ず医師に報告してください。


④大量飲酒者では肝障害が現れやすくなります。禁酒を守り、症状が現れたら医師に相談してください。

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