原田アントニオ(読み)はらだアントニオ(英語表記)Farada Antonio

改訂新版 世界大百科事典 「原田アントニオ」の意味・わかりやすい解説

原田アントニオ (はらだアントニオ)
Farada Antonio

トマス・ア・ケンピス著《イミタティオ・クリスティ》の国字本こんてむつすむんぢContemptus Mundi》を1610年(慶長15)京都で出版した民間印刷業者。生没年不詳。本書は現存するキリシタン版中,京都で出版されたと記されている唯一のもの。イエズス会刊行ではないが,イエズス会上長の許可の下に出版されており,原田がイエズス会と密接な関係にあったことがわかる。
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朝日日本歴史人物事典 「原田アントニオ」の解説

原田アントニオ

生年:生没年不詳
江戸前期,キリシタン版をもとにした国字本の出版者。現存する刊行書は,慶長15(1610)年4月中旬刊の『こんてむつすむん地』のみ。同書にはラテン文で「京都 原田アントニオ印刷所」の記載があり,キリシタン版系の書物のうち,京都で出版された唯一のものである。内容は慶長1年イエズス会版ローマ字本の改訂抄本だが,この間に刊行された長崎後藤版国字本を,木活字により復刻したものらしい。経歴,イエズス会との関係などは未詳。1621年のパウロ5世の宥罪慰問に対する奉答文にみえる四国伊予国の原田隼人あんとうによを同一人物とみる説もある。<参考文献>天理図書館編『きりしたん版の研究

(安永美恵)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の原田アントニオの言及

【傘】より

…いずれにしても,古い時代の〈かさ〉がどんなものかは明確ではない。英語では傘をアンブレラumbrellaというが,これは〈影〉を意味するラテン語umbraが語源であり,フランス語では日傘をパラソルparasol(paraはよけるの意。太陽をよける),雨傘をパラプリュイparapluie(雨をよける)という。…

※「原田アントニオ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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