原理論(読み)げんりろん

世界大百科事典(旧版)内の原理論の言及

【経済学説史】より

… 第2次大戦後の日本の学界と論壇には,他の資本主義諸国にはみられないほど広範にマルクス経済学が復活し,戦前の研究をひきつぎ発展させる。なかでも宇野弘蔵とその後継者たちから成る宇野学派は,経済学の研究全体を原理論,資本主義の発展段階論,および現状分析の三つの次元に体系的に区分する三段階論の方法を立て,それによって講座派と労農派との対立の限界を克服しようとした。たとえば日本の農業問題も,《資本論》のような原理論と直接対比するのでは不十分で,帝国主義段階のドイツ農業問題をも参照基準とすることにより,はじめて正確で現実的な分析が可能になると考えられる。…

【マルクス経済学】より

…その中でほぼ次のような経済学体系が構築されていった。 第1に,《資本論》は,当時のイギリス資本主義がもっていた純粋化傾向,すなわち周辺の非資本主義的諸関係が分解され,資本家,賃労働者,土地所有者の三大階級のみが形成されていく傾向にもとづく理論であり,したがって,《資本論》の全体を純粋資本主義の理論すなわち〈経済原論(原理論)〉として純化しなければならない。第2に,しかし現実の資本主義は,19世紀後半以降,その純粋化傾向を阻害されて変質していった。…

※「原理論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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