原子爆弾被爆者の医療等に関する法律(読み)げんしばくだんひばくしゃのいりょうとうにかんするほうりつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

原子爆弾被爆者の医療等に関する法律
げんしばくだんひばくしゃのいりょうとうにかんするほうりつ

昭和 32年法律 41号。原子爆弾被爆者の健康の保持向上をはかるための法律。国が被爆者の健康診断と,原爆症患者や特別被害者の病気につき医療またはその費用の給付を行うことを定めている。対象となるのは原爆投下の際の 1945年8月に広島市,長崎市の区域にあった者,または8月以降一定期間内に特定区域内にあった者,および8月の時点またはその後において身体に原子爆弾の放射能の影響を受けるような事情のあった者。当時まだ出生していなかったいわゆる被爆2世に対しては当初,本法の適用がなく,それらの者に対する援護措置の必要が問われていたが,その後上記の被爆者の各被爆事由に該当した,当時その胎児であった者も加えられることになった。

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世界大百科事典(旧版)内の原子爆弾被爆者の医療等に関する法律の言及

【原爆被爆者】より

…日本被団協は,原水爆被害者援護法,原水爆被害者健康管理制度の確立などを要求して運動を展開した。 1957年〈原子爆弾被爆者の医療等に関する法律〉(原爆医療法)が制定され,国費によって被爆者の健康診断と原爆症の治療が行われるようになった。しかし,治療対象の認定枠が極めて狭く,また生活保障や被害補償はまったく行われないので,日本被団協は〈原爆医療法〉の改正,さらに〈被爆者援護法〉の制定を要求する運動を続けた。…

※「原子爆弾被爆者の医療等に関する法律」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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