単相交流(読み)タンソウコウリュウ

デジタル大辞泉 「単相交流」の意味・読み・例文・類語

たんそう‐こうりゅう〔タンサウカウリウ〕【単相交流】

一つ電源負荷との間を2本の線で結んで一つの回路を作るもの。電圧電流変化が一つの正弦波で表される交流。家庭用のものはこれ。

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精選版 日本国語大辞典 「単相交流」の意味・読み・例文・類語

たんそう‐こうりゅう タンサウカウリウ【単相交流】

〘名〙 起電力が一つの交流。起電力が二つ以上ある場合でもその位相がすべて同一である交流。通常の家庭用電力に用いられている。単相。〔デエリー新文化語辞典(1926)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「単相交流」の意味・わかりやすい解説

単相交流
たんそうこうりゅう

電圧、電流の大きさが正弦波で変化するものをいう。電気には電圧や電流の大きさがつねに一定の値を有する直流と、時間の経過とともに周期的に正弦波(サインカーブ)の形で変化する交流がある。直流は、電圧V直流発電機または電池により発生され、負荷Rに向かって電流Iが流れる。このときの電圧、電流の大きさはつねに一定であり、VRIの間にはオーム法則によりVR×Iの関係がある。交流も回路的には直流と同じであるが、電圧vは交流発電機により発生され、負荷zに向かって流れる電流iは正弦波で変化することとなる。すなわち、直流の場合は電圧発生源が直流発電機または電池であるのに対し、交流の場合は電圧発生源が交流発電機なので、同じ負荷であっても直流の場合は大きさ一定の電流が流れ、交流の場合は正弦波で変化する電流が流れることとなる。交流にはさらに単相交流を三つ組み合わせたような三相交流がある。三相交流は電気の発生や輸送が経済的にできることから、電力系統では広く採用されている。一般家庭では電力系統における三相交流回路の3本の電線のうち2本を引き出し、単相交流(100ボルト)として用いている。

[松田高幸]


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百科事典マイペディア 「単相交流」の意味・わかりやすい解説

単相交流【たんそうこうりゅう】

単一の位相で表される普通の交流多相交流の対。三相交流で任意の二つの端子から電流をとれば,単相交流が得られる。送配電方式には,線路の数によって単相二線式と単相三線式があり,日本の電灯用配電では単相二線式を採用している。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「単相交流」の意味・わかりやすい解説

単相交流
たんそうこうりゅう
single-phase current

1つの正弦波から成る普通の交流で,三相交流などの多相交流と区別して呼ぶ用語。大きな電力を必要としない一般家庭用などに使われる。

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改訂新版 世界大百科事典 「単相交流」の意味・わかりやすい解説

単相交流 (たんそうこうりゅう)

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世界大百科事典(旧版)内の単相交流の言及

【交流】より

…電力の分野では,商用周波数より低いものを低周波,高いものを高周波というが,無線通信の分野では異なる。相数による分類では,電力網の大部分で使われる三相交流,家庭用,交流電気鉄道などが用いる単相交流のほか,特殊なものに二相,六相交流などがある。
[交流の特徴]
 交流は直流と比較して次のような特徴をもつ。…

※「単相交流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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