南風(みなみかぜ)(読み)みなみかぜ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「南風(みなみかぜ)」の意味・わかりやすい解説

南風(みなみかぜ)
みなみかぜ

南方から吹いてくる風。日本では夏の季節風が南風であるが、これは冬の北寄りの季節風よりは概して弱い。しかし台風のような熱帯低気圧に伴われる場合は一時的に南風の暴風となる。南風がとくに強いときは大南風(おおみなみかぜ)。南風は地方により「はえ」「まじ」「まぜ」などの呼称があるが、主要な方言は次のようなものである。

 おき・おくれまじ・きぜ・くだり・さがり・したけ・だし・ふえー・まえかぜ・やまじ・ながし・ふじおろし・まぜ・わかぜ・わて。

 ギリシアでは南風は風神ノトスNotosで表される。ノトスは薄着をした若者の神で、手には逆さにした水瓶(みずがめ)をもつ。すなわち雨をもたらす神で、蒸し暑いときに活躍し、作物をだいなしにしたり、病気をもたらしたりする気まぐれな神である。

根本順吉

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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