南都七大寺(読み)なんとしちだいじ

精選版 日本国語大辞典 「南都七大寺」の意味・読み・例文・類語

なんと‐しちだいじ【南都七大寺】

奈良にある七つ大寺東大寺興福寺西大寺元興寺(がんごうじ)大安寺薬師寺法隆寺総称。法隆寺のかわりに唐招提寺を入れることもある。南都七堂。七大寺。奈良の七大寺。南都の七大寺。

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デジタル大辞泉 「南都七大寺」の意味・読み・例文・類語

なんと‐しちだいじ【南都七大寺】

奈良にある七つの大寺。東大寺興福寺元興寺がんごうじ大安寺薬師寺西大寺法隆寺七寺。南都七堂。七大寺。

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百科事典マイペディア 「南都七大寺」の意味・わかりやすい解説

南都七大寺【なんとしちだいじ】

奈良(南都)にある七つの大寺。677年に始まる大寺制の一つで,七大寺は756年を初見とする。奈良時代にすでにこの称はあり,東大寺西大寺法隆寺薬師寺大安寺元興寺興福寺の7寺というが,時代により変遷があり,唐招提寺法華寺を加えることもある。
→関連項目寺院建築南都百万塔陀羅尼

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改訂新版 世界大百科事典 「南都七大寺」の意味・わかりやすい解説

南都七大寺 (なんとしちだいじ)

奈良(南都)にある七つの大寺。677年(天武6)の大官大寺に始まる大寺制は,四大寺,五大寺と発展し,756年(天平勝宝8)5月に七大寺の名が初見する。8世紀後半に西大寺が創建されるに及んで,東大寺,大安寺,興福寺,元興(がんごう)寺,薬師寺,法隆寺,西大寺を七大寺と称するにいたった。大寺の造営にはそれぞれ官営の造寺司を設けてことに当たり,経営維持のため莫大な封戸・荘地が施入され,別当や三綱が寺・寺僧の運営指導に当たった。七大寺は興福寺の法相・律宗の二宗兼学を除いて,他は六宗もしくは数宗兼学の寺で(南都六宗),七堂伽藍が整備されていた点に特色がある。平安遷都以後も七大寺,平城七大寺あるいは南京七大寺ともいわれ,諸寺への巡拝も盛行し(七大寺巡礼),のち平安京七寺の称も生じた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「南都七大寺」の意味・わかりやすい解説

南都七大寺
なんとしちだいじ

平城京およびその周辺の七つの大寺。東大寺、興福寺、元興(がんごう)寺、大安(だいあん)寺、薬師(やくし)寺、西大(さいだい)寺、法隆寺。法隆寺を除き唐招提(とうしょうだい)寺を入れた例もある。飛鳥(あすか)時代には大安寺、薬師寺、元興寺、弘福(ぐふく)寺を四大寺と称したが、奈良遷都後は大安寺、薬師寺、元興寺、興福寺を四大寺とよび、ほかに五大寺、六大寺の称も行われた。七大寺は、聖武(しょうむ)天皇の崩じた翌々日および初七日すなわち756年(天平勝宝8)5月に七大寺に誦経(ずきょう)せしめた『続日本紀(しょくにほんぎ)』というのが初めての記載で、その後796年(延暦15)11月『日本後紀(にほんこうき)』などにみえる。『続(しょく)日本後紀』『文徳実録(もんとくじつろく)』『三代実録』や『延喜式(えんぎしき)』などにも言及されており、『扶桑略記(ふそうりゃっき)』に七大寺の寺名が記されている。また、『七大寺巡礼私記』『七大寺日記』『七大寺年表』(以上平安末期)、『七大寺巡礼記』(室町時代?)などがある。

[田村晃祐]

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事典・日本の観光資源 「南都七大寺」の解説

南都七大寺

8世紀後半から南都六宗(奈良仏教の6学派)の中心となった官大寺。七大寺の名称は大江親通の「七大寺巡礼私記」(1140年)に由来する。
[観光資源] 元興寺 | 興福寺 | 西大寺 | 大安寺 | 東大寺 | 法隆寺 | 薬師寺

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「南都七大寺」の意味・わかりやすい解説

南都七大寺
なんとしちだいじ

奈良を中心とする地域にある7つの大寺院。一般に,東大寺西大寺法隆寺薬師寺大安寺元興寺興福寺をいう。

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旺文社日本史事典 三訂版 「南都七大寺」の解説

南都七大寺
なんとしちだいじ

古代以来,奈良とその付近にあり,南都六宗の中心となった七寺の総称
東大寺・興福寺・元興寺・大安寺・薬師寺・西大寺・法隆寺をいう。法隆寺を除き,唐招提寺を入れることもある。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「南都七大寺」の解説

南都七大寺
なんとしちだいじ

七大寺(しちだいじ)

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世界大百科事典(旧版)内の南都七大寺の言及

【七大寺巡礼】より

…いわゆる南都七大寺(東大寺,興福寺,元興寺(がんごうじ),西大寺,薬師寺,大安寺,法隆寺)を巡拝すること。879年(元慶3)10月清和上皇の大和国の名山巡礼以降,貴族による南都諸寺への巡拝が盛行した。…

※「南都七大寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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