南硫黄島(みなみいおうとう)(読み)みなみいおうとう

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

南硫黄島(みなみいおうとう)
みなみいおうとう

東京都小笠原諸島(おがさわらしょとう)にある火山島小笠原支庁小笠原村に属する。16世紀半ばにスペイン船によって発見され、1891年(明治24)に日本領となった。1972年(昭和47)小笠原国立公園指定とともにその中に含まれた。天然保護区域。北硫黄島硫黄島とともに硫黄列島火山列島)を構成し、列島中いちばん南に位置する。面積3.54平方キロメートル、周囲7.5キロメートル、最高点916メートルの円錐(えんすい)状の島である。海食が甚だしく、周囲は急峻(きゅうしゅん)で登ることも困難なわが国最後の秘境ともいわれ、淡水もなく無人島である。第二次世界大戦後、南硫黄島は「みなみいおうじま」とよばれていたが、2007年(平成19)6月、国土地理院が硫黄島の呼称を「いおうじま」から、旧島民が戦前からよんでいた「いおうとう」に変更したのに伴い、南硫黄島の呼称も変更された。

[菊池万雄]

『環境庁自然保護局編・刊『南硫黄島の自然 南硫黄島原生自然環境保全地域調査報告書』(1983)』

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