南洋材(読み)なんようざい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「南洋材」の意味・わかりやすい解説

南洋材
なんようざい

フィリピンをはじめ東南アジアから輸入される材木。ラワン材が中心。日本の合板工業原木の 90%をラワン材に依存している。現在,輸入量が最も多いのはマレーシアであるが,過去において主要入手国であったフィリピン,インドネシア丸太材の輸入規制を行なってきている。これらの輸入規制措置は,世界的規模での環境問題の高揚森林資源の見直し,産地国の工業化促進による製品輸出志向の高まりなどによる。フィリピン材はインドネシア材に比べて材質がすぐれ,内装用を中心にした薄物合板に適しているが,最近はコンクリート型枠,床用,外装用,足場板用など厚物で,しかも多少材質が落ちても使用に耐える合板需要がふえている。 1983年の年間輸入量は丸太 1421万 5000m3製材 63万 9000m3であったが,88年には丸太 1182万 1000m3,製材 151万 9000m3となり,製材の増加傾向,丸太の減少傾向がみられる。

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改訂新版 世界大百科事典 「南洋材」の意味・わかりやすい解説

南洋材 (なんようざい)

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農林水産関係用語集 「南洋材」の解説

南洋材

フィリピン、インドネシア、マレーシア、パプアニューギニアシンガポールソロモン諸島ブルネイの7カ国から輸入される木材総称ホワイトラワン、イエローメランチ等。

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リフォーム用語集 「南洋材」の解説

南洋材

熱帯地域で産出される木材のこと。住宅用の建材では合板の材料となるフタバガキ科ラワン類が多い。黒檀チークなどの高級木材も含まれる。

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世界大百科事典(旧版)内の南洋材の言及

【外材】より

…したがって,日本の木材工業さらにわれわれの日常生活,とくに住生活は外材ぬきで語ることはできないといえる。古くから日本に輸入され,しかも現存しているものは,南洋材の中の唐木(からき)類(唐木細工)で,貴重材であるため,工芸品(正倉院の御物は好例)とされ珍重されているが,その量は少ない。近隣の地域である東南アジア,北米,ロシアなどからまとまった量の木材が日本へ輸入されるようになってきたのは1890年代に入ってからである。…

【木材貿易】より

…丸太輸入の減少,製材品,チップ,合板の輸入増が近年の特徴である。輸入木材は地域別に米材,南洋材,ロシア材に大別され,その輸入割合はほぼ9対5対3であり,傾向としては南洋材の減少,米材,ロシア材の増加が目立つ。
[南洋材]
 南洋材の供給国はインドネシア,フィリピン,マレーシア,パプア・ニューギニアなどで,近年ではインドネシアとマレーシアがとくに多く,この両国で輸入南洋材の80%強を占める。…

【ラワン】より

…また材色は単調で,外観がやや粗雑なので,装飾的用途には適さない。 ラワン材は第2次世界大戦前から日本に輸入されていたが,戦後その量が急増し,一時は東南アジアからの輸入材(いわゆる南洋材)のほとんどを占めていた。そのため東南アジアの木材はすべてラワン材であるという誤解が生じた。…

※「南洋材」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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