改訂新版 世界大百科事典 「南山城」の意味・わかりやすい解説
南山城[村] (みなみやましろ)
京都府南東端,相楽郡の村。人口3078(2010)。笠置山地の東部に位置し,村域の大半が山地である。伊賀盆地から西流してきた伊賀川と,大和高原を北流してきた名張川が,中央部の夢絃峡で合して木津川となり,西流して笠置町に入る。近世は大和柳生藩領で,北大河原は木津川舟運の物資集散地であり,京と伊賀を結ぶ街道も通じていた。北部高原の童仙房(どうせんぼう)は江戸時代は無住の山野であったが,明治初年京都府が士族授産事業として開拓,茶やトマトの栽培が行われる。名張川には多目的ダムの高山ダムがある。人口の減少傾向が続いたが,南の奈良県月ヶ瀬から童仙房に東海自然歩道も通じ,観光開発も進む。村域中央を東西にJR関西本線,国道163号線が通じる。
執筆者:松原 宏
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報