卓越研究員制度(読み)たくえつけんきゅういんせいど

知恵蔵mini 「卓越研究員制度」の解説

卓越研究員制度

優秀な若手研究者が安定的かつ自主的に研究に専念できる環境を与えるための、日本の人事システム改革制度。日本の若手研究者は年数を限られた任期付きのポストに就くことが多く独創的な研究がなされにくくなっていることなどを背景とし、2015年6月に閣議決定された成長戦略「『日本再興戦略』改訂2015」で打ち出され、文部科学省が16年度より導入した。同制度では、国が毎年150人程度を「卓越研究員」に認定し、その受け入れを表明した民間企業・大学・研究機関などへの就職仲介、これら各機関が人件費を負担し原則として終身雇用を保障する。卓越研究員を新規雇用した企業には、研究費(年間600万円程度、2年間)や研究環境整備費(年間300万円程度、5年間)が必要に応じて国から支援される。16年3月28日、選抜予定人数を大幅に超える計92機関(国立大58校、企業23社など)が317件のポストを提示していることが公表された。

(2016-3-30)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報