半円形劇場(読み)はんえんけいげきじょう

世界大百科事典(旧版)内の半円形劇場の言及

【演劇】より

…古典期ギリシアの野外劇場が一つの代表であり,中心にある円形のオルケストラを取り囲むようにして,半円形よりも広がりの大きい階段状座席を配する(いわゆる円形劇場)。それが半円形劇場となり,演戯の場が後退して客席と対面する配置になるのは,上演の枠組みの宗教性(都市国家を挙げての祝祭)が失われて,演劇が純粋に世俗的な娯楽へと変わるヘレニズム時代からローマにかけてである。あるいは中世ヨーロッパの新興都市を中心に,富裕な町民階級(ブルジョアジー)による聖史劇上演の場合,教会堂内部における典礼劇から教会前庭へ,さらに都市の広場へという空間そのものの世俗化は,上演そのものの都市を挙げての祝祭性を増幅する過程であった。…

※「半円形劇場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」