普及版 字通 「午(漢字)」の読み・字形・画数・意味
午
常用漢字 4画
[字訓] さからう
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 象形
杵(きね)の形の器。これを呪器として、さからい守るので、(御)・禦の初形はその形に従い、午を拝する意の字である。〔説文〕十四下に「(さか)らふなり。五には陰气、陽に(ごぎやく)して、地をして出づるなり」(段注本)と、陰陽・五行を以て字形を説く。卜文・金文の字形は杵、ときに糸束をねじらせた幺(よう)の形にみえるものもあり、これを呪器として拝した。卜辞に禦祀の禦をその形に作るものが多い。わが国で白香(しらか)を用いるようなものであろう。
[訓義]
1. きねの形の呪具、これで祈り、ふせぎまもる。さからう。
2. そむく、たがう。
3. 十二支の一、うま。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕午 ムマトキ 〔字鏡集〕午 ワカツ・ムマトキ・ムマ・マジフ
[部首]
〔説文〕十四下にの一字を属し、「らふなり」という。午・吾はともにまもる意の字で、抵抗し守る意がある。
[声系]
〔説文〕に午声として許・杵・など四字、また(ぎよ)声三字を収める。許・はともに午(杵)を呪器として用いる儀礼を示し、許は聴許、は禦祀をいう。いずれも呪祝に関する字である。
[語系]
午・・忤・・晤・悟ngaは同声。・(逆)ngyakもその系統の語で、抵抗的な姿勢で対者を迎える意。また・ngea、(迎)ngyang、(遇)ngioも、神異のものなどをあやしみ迎える意がある。みな一系の語である。
[熟語]
午陰▶・午影▶・午下▶・午割▶・午貫▶・午逆▶・午供▶・午頃▶・午憩▶・午月▶・午午▶・午后▶・午後▶・午刻▶・午歳▶・午▶・午市▶・午時▶・午日▶・午酒▶・午暑▶・午餉▶・午食▶・午寝▶・午睡▶・午正▶・午節▶・午饌▶・午前▶・午達▶・午潮▶・午枕▶・午天▶・午熱▶・午飯▶・午風▶・午眠▶・午夢▶・午門▶・午夜▶・午漏▶
[下接語]
移午・下午・過午・近午・交午・子午・正午・上午・舛午・午・端午・停午・日午・午・旁午・傍午・夜午
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報