千歳川(読み)ちとせがわ

日本歴史地名大系 「千歳川」の解説

千歳川
ちとせがわ

支笏しこつ湖に源を発して東流し、石狩平野を北上して石狩川に合流する一級河川。流路延長一〇七・九キロ(うち指定区間一〇〇・三キロ)、流域面積一二四五・六平方キロ(山地五二二・六平方キロ、平地七二三平方キロ)支笏湖東岸から流出して千歳市街地を東流し、ママチ川・祝梅しゆくばい川を合せる。以後北進して長都おさつ川を合せ、千歳市と長沼ながぬま町との境界線となり、恵庭市域でいざり川を合せて同市と長沼町の境界線を流れる。島松しままつ川を合せて北広島市と南幌なんぽろ町との境界線を流れ、同町夕張太ゆうばりぶとで旧夕張川と合流、同町と江別市の境界を流れて新江別橋の北で石狩川に注ぐ。上流部は支笏火山形成時の支笏軽石流堆積物などからなる火山灰台地に深い谷を刻む。

一九世紀初頭までは「シコツ川」とよばれていた。「休明光記」に一八〇五年(文化二年)のこととして「ユウブツの内シコツ川といふ川有。此川の名となへあしければ改度よし、其所を受持たる山田鯉兵衛よりいふ。彼川は鶴のあまた居る所なれば則千とせ川と改」と記される。箱館奉行羽太正養が「シコツ」は死骨に通じて縁起が悪く、当川に鶴が生息していたことから「千年」(千歳)川と改めたという(釜加神社蔵弁財天厨子銘文など)

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改訂新版 世界大百科事典 「千歳川」の意味・わかりやすい解説

千歳川 (ちとせがわ)

北海道南西部,支笏(しこつ)湖から東流する石狩川水系の川。千歳市街で北に流れをかえ,江別市で石狩川に合流する。長さ74km,流域面積1030km2水量が豊富で,湖口から16kmの間に四つの発電所があり,王子製紙苫小牧(とまこまい)臨海部の工場に電力を供給している。上流部は古くからサケの捕獲地であり,千歳市街の上流8kmの地点に1888年開設の北海道サケ・マスふ化場千歳支場(現,独立行政法人の水産総合研究センターさけますセンター千歳事業所)がある。下流部では工業・農業用水として利用されている。かつては河川交通も活発であった。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「千歳川」の意味・わかりやすい解説

千歳川
ちとせがわ

北海道南西部を流れて石狩川に合流する川。支笏湖(しこつこ)東岸から流出し、支笏火山扇状地を流下して千歳市内に入り、長沼の低地を蛇行しながら北流し、旧夕張川(ゆうばりがわ)と合流して江別川となり、江別市内で石狩川と合流する。延長73.8キロメートル。湖水を水源としているので水量が一定し清澄である。湖畔から千歳市の間に五つの発電所があって王子製紙(株)の動力源になり、また千歳市郊外にサケ・マス孵化(ふか)場がある。中・下流では灌漑(かんがい)、工業用水として利用される。

[奈良部理]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「千歳川」の意味・わかりやすい解説

千歳川
ちとせがわ

北海道南西部を流れる川。支笏湖に源を発して東流し,千歳市で平地に出て北流し,江別市で石狩川に注ぐ。全長 74km。流域面積 1244km2。下流は江別川と呼ばれる。水量が豊富で,上流には千歳第一発電所をはじめ5つの発電所が建設されているほか,中流にはサケ,マスの人工孵化場がある。下流部は,農業用水,工業用水に利用されている。

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事典・日本の観光資源 「千歳川」の解説

千歳川

(北海道千歳市)
日本の重要湿地500」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

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