千本念仏(読み)せんぼんねんぶつ

精選版 日本国語大辞典 「千本念仏」の意味・読み・例文・類語

せんぼん‐ねんぶつ【千本念仏】

〘名〙
① 京都市上京区の閻魔(えんま)前町にある高野山真言宗の寺、光明山引接寺(いんじょうじ)(通称千本閻魔堂)の念仏法会境内の普賢象桜(ふげんぞうざくら)開花を期して、古くは三月に、現在は五月一~三日に行なわれる。定覚(じょうがく)が寛仁年間(一〇一七‐二一)の初めに当寺を開き、法界四生音乱名号大念仏を始めたと伝え、当初は踊躍念仏であったが、のちに狂言を演ずるようになった。壬生寺嵯峨釈迦堂の狂言が無言であるのに対して、これはせりふのつくのが特色である。閻魔堂大念仏閻魔堂狂言千本大念仏。花念仏。《季・春》
宣胤卿記‐文亀二年(1502)三月九日「詣千本念仏并普賢堂、桜盛也」
※日本歳事史(1922)〈江馬務〉二月九日「釈迦堂遺教経会〈略〉遺教経を訓読するので、この法会を千本念仏(せんボンネンブツ)ともいひ」

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デジタル大辞泉 「千本念仏」の意味・読み・例文・類語

せんぼん‐ねんぶつ【千本念仏】

京都市上京区の引接寺いんじょうじ(千本閻魔堂)で、古くは3月に行われた念仏法会。現在は5月下旬、念仏狂言を主として行われる。壬生みぶ狂言嵯峨大念仏とともに、京都三大念仏の一。閻魔堂大念仏。 夏》
京都市上京区千本の大報恩寺千本釈迦堂)で行われる涅槃会ねはんえ。千本の釈迦念仏 春》

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「千本念仏」の解説

千本念仏
(通称)
せんぼんねんぶつ

歌舞伎浄瑠璃外題
元の外題
千本大念仏
初演
宝永4.3(京・亀屋座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

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