千手の誓(読み)せんじゅのちかい

精選版 日本国語大辞典 「千手の誓」の意味・読み・例文・類語

せんじゅ【千手】 の 誓(ちかい)

観世音千手、千眼を身に備え一切衆生(しゅじょう)を救おうとして立てた誓願。また、その誓いによってその身をえた千手観音の広大な功徳の誓い。枯木にすら花を咲かせ、実をならせるという。
梁塵秘抄(1179頃)二「万(よろづ)の仏の願よりも、千手のちかひぞ頼もしき、枯れたる草木も忽ちに、花咲き実生(な)ると説いたまふ」
[語誌]枯木に花、実を生じさせるという千手の誓いの思想は、挙例の「梁塵秘抄‐二」以後広まったもの。「千手陀羅尼経」に、「此大神呪呪乾枯樹、尚得枝柯華果」の句があり、これが「梁塵秘抄」のこの今様歌の源であったと考えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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