千引・千曳(読み)ちびき

精選版 日本国語大辞典 「千引・千曳」の意味・読み・例文・類語

ち‐びき【千引・千曳】

[1] 〘名〙
① 千人で引くこと。また、千人で引かなければ動かないほどの重さのもの。
② 「ちびき(千引)の岩」の略。
※類従本赤染衛門集(11C中)「まつとせし程にいしとは成にしを又は千引にみせ分かてとや」
[2] (千引) 謡曲。五番目物。宝生流作者不詳。陸奥の壺碑(つぼのいしぶみ)にある千引の石は人の命をとるので、領主はそれを引いて砕かせようとするが、誰が引いても動かない。しかし、その石の精と契った女が引くと簡単に動き、女は恩賞をうける。別名「千引石」。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android