朝日日本歴史人物事典 「千宗左(4代)」の解説
千宗左(4代)
生年:慶長18(1613)
江戸前期の茶人。千宗旦の3男。母は真巌宗見。幼名十三郎。宗受,宗佐ののち宗左を名乗り,以後,表千家では宗左が家元の名となった。号は江岑。また堪笑軒,逢源斎とも号した。寛永19(1642)年,紀州徳川家に茶頭として出仕し,千家の経済的基礎をつくった。正保3(1646)年,宗旦より千家の家督を譲られ不審庵を継承,のちに分立する三千家の本家となった。これが今日の表千家で平成期の14代而妙斎におよんでいる。宗旦没後,宗旦時代の伝承が失われるのをおそれ,養子の5代宗左(随流斎)のために綴った『江岑夏書』などの茶書は,茶道史料として貴重である。<参考文献>千宗左(13代)編『元伯宗旦文書』,同編『表千家』,千芳紀「江岑宗左と随流斎」(『茶道雑誌』1993年11月号)
(熊倉功夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報