十石街道(読み)じつこくかいどう

日本歴史地名大系 「十石街道」の解説

十石街道
じつこくかいどう

山道新町しんまち宿から藤岡町に至り、神流かんな川に沿って山中さんちゆう領の村々を経て、十石峠を越えて信州に入る。十石峠道・山中街道などと称された。上武国境付近を通るため、分岐する諸道を通して武州秩父ちちぶ地方との交流の道でもあった。信州からは佐久米が主として運ばれ、上州からは炭・繭・栗・紙などが送られ、白井しろい(現上野村)には定期市が開かれた。元禄七年(一六九四)の山中領村鏡帳(黒沢文書)によれば毎月三日・七日・一一日・一六日・二〇日・二四日・二八日の七日間で、幕末には一・三・八の九斎市であった(文政七年「米穀取引協定書」同文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報